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もんじゅ「再起動」 技術蓄積へ歩み再び(産経新聞)

 高速増殖炉の原型炉もんじゅが14年半ぶりに運転を再開し、資源小国・日本にとって“夢の原子炉”とされる技術で大きな一歩を踏み出した。今後は、発電システムとしての信頼性を検証するもんじゅの技術を確立した上で、経済性を検証する実証炉を経て40年後をめどに出力150万キロワットの商業炉へとつなぐ遠大な計画が待っている。課題も多いが、エネルギーの安定供給のためにも技術を着実に蓄積することが求められる。(粂博之)

 出力28万キロワットのもんじゅは当面、炉心の「試運転」にあたる性能試験を行い、来年春には出力を40%まで引き上げる。これはナトリウム漏れ事故の際に達していた水準だ。24年度にはさらに出力を上昇させ、25年春ごろに本格運転に入る。

 ■訓練重ね万全

 14年半の歳月を経て、実際の運転経験がある技術者は全体の約5分の1となる50人程度に減った。運転再開に向け、運転員は300種類のトラブルを組み合わせた訓練を重ねるなど万全の準備を進めてきた。

 もちろん未知の領域に入る中で、乗り越えるべき課題は多い。例えば国は高速増殖炉に欠かせないプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の加工工場を27年に操業させたい考えだが、そこで使われる使用済み燃料を用意するための再処理工場の稼働は予定の今年10月以降にずれ込む可能性が高い。高レベル放射性廃棄物の処分場選定にもめどが立っていない。

 さらに核兵器にも転用できるプルトニウムは、テロリストに渡らないよう余分に持たず、厳重管理する態勢を確立する必要もある。

 開発コストの大きさも課題だ。実際、これまでに9200億円余りが投じられ、今後も年間約230億円の経費が見込まれる。さらに福井県など地元自治体は、北陸新幹線や高速道路整備など地域の振興策に国が積極的に取り組むことも求めている。

 ■薄れぬ重要性

 こうした課題の多さにもかかわらず、高速増殖炉を開発する重要性が薄れないのは、地球温暖化対策やエネルギーの安定供給のため原子力への期待が高まっているためだ。

 実際、実証炉「スーパーフェニックス」を12年前に閉鎖したフランスは、開発再開へ向けて動き出しており、米国との協力も進めている。今後エネルギー需要が急増するとみられる中国やロシアなど新興国も開発を加速させているとされている。

 技術の安全性や精度を高めるためには、これら複数の研究が平行して進められる中で、効果的に情報交換することも必要になる。その際には核不拡散の観点から先進国がリードすることが望ましく、日本が、もんじゅで技術を積み上げていくことの意義は大きい。

 ■もんじゅ 原子力発電所の使用済み燃料を再処理したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使い、消費量以上の燃料を生む高速増殖炉の原型炉で、発電システムとしての信頼性を検証する役割を持つ。昭和58年に国が設置を許可し、平成6年に初めて臨界に達したが、7年にナトリウム漏れ事故が発生したため、運転を停止していた。政府は40年後をめどに高速増殖炉の商業化を目指している。運転期間を終える原発を高速増殖炉に置き換えれば、2100年過ぎに新たなウラン資源の輸入が不要になるとされる。

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